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ホルモン測定

2023年03月18日

院内でホルモン測定ができるようになりました。

ご存知ですか?
ホルモン機能の低下・亢進-内分泌系疾患

内分泌とは

生体は生まれながらに生命体を維持するため機能を兼ね備え、生きるために体内バランスを保っています。
その総称を内分泌(ホルモン)といい、この内分泌機能は脳と各臓器、2つの連携で役割を果たし体内物質を作らせる(製造)働きや、その物質を体内に蓄える(貯蔵)、また、使う(放出)などの機能を担っています。

内分泌系疾患とは

内分泌のバランスが崩れる(製造・貯蔵・放出)とホルモンの過剰(亢進)や不足(低下)が起き、その総称を内分泌系疾患と呼びます。内分泌(ホルモン)系疾患にはいくつか種類がありますが、一般的に多い疾患名や知られている病名は甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能亢進症、副腎皮質低下症などがあげられます。


臨床症状や生化学血液検査などで甲状腺機能低下症や亢進症が疑われた時は、甲状腺機能検査を行います。

下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンのTSHと喉付近にある甲状腺から分泌されるT4や細胞内に存在するFT4、T3などの検査を行う必要があります。
特にお薬の投薬をするかしないかの診断を行う時には、甲状腺を出しなさいと下垂体から指令(刺激)が出ているか?甲状腺のホルモンが分泌されているかを観察し、バランスが崩れていないかを確認する必要があります。

そして、測定結果が・・・
TSHが高く、T4やFT4が低い時は甲状腺機能低下症が、
TSHが低く、T4やFT4が高い時は甲状腺機能亢進症が、

疑われます。
TSHが低く、甲状腺ホルモンも低い時は副腎皮質機能由来などの二次性甲状腺機能低下症が疑われます。


臨床症状や生化学血液検査、エコー検査などで、副腎皮質亢進症や低下症が疑われた時は、副腎皮質機能検査を行います。

副腎皮質の臓器が大きくなっているか?(肥大)小さくなっていないか?(萎縮)を調べるためには下垂体から分泌される刺激ホルモン(ACTH)と同様のお薬を注射する前と注射した後の体内のコルチゾール量を測定します。
刺激ホルモンを投薬し検査する理由は副腎皮質は大きくなっていても、何かのストレスがかからないと本来の力(予備能力といいます)を発揮しない性質を持っているからです。

そして、測定結果が・・・
刺激前と刺激後の幅が広い時は副腎皮質機能亢進症(クッシング症)が、
刺激前と刺激後の幅が狭い時は副腎皮質機能低下症(アジソン症)が、

疑われます。
刺激試験の結果で異常値が出た時は副腎の腫瘍化を疑いデキサメサゾン抑制試験を行う必要があります。また、副腎機能に異常がある時は糖尿病の併発も疑われ、過去の血糖値を観察する血液検査(糖化アルプミン)を行う時があります。
併せて、超音波検査にて副腎の形態を確認します。